縁故採用

縁故採用とは、会社に関わる関係者の人脈から採用する手法です。

社員紹介だけではなく、知り合いからの紹介など、あらゆる関係者の紹介による採用が含まれます。縁故採用は通常の採用とは異なり、応募者の人となりが分かりやすいこと、そして最初から人間関係による信用があることから、辞めにくく、採用コストが安いといったメリットがあります。一方で、コネ採用といわれるように、採用における公平性がたびたび問題になることがあります。

最近では、リファラル(Referral)採用と呼ばれる採用も聞かれるようになりました。リファラル採用は優秀な人材を紹介するといった質の面に焦点が当てられていることから、縁故採用と分けて使われる場合が多いようです。


人材採用が困難な時代に、人のつながりをもとにした縁故採用が注目される


古くて新しい手法である縁故採用

縁故採用は、人材確保の手法としては古くから行われている手法です。例えば、経営者の後継者としてその子どもが入社することや、農業において収穫期などの繁忙期に知り合いの手を借りるといったことも縁故採用といえるでしょう。縁故採用は互いに知った関係であることの利点があり、人のつながりによる信用があることから、まったく関係のない人を採用するのに比べて組織になじみやすく、会社の理解が進みやすいといったメリットがあります。近年の人材不足の問題から、再び注目されるようになってきています。


縁故採用の一種であるリファラル採用

さらにリファラル採用と呼ばれるものも聞かれるようになってきました。つながりによって採用した人は定着しやすく、優秀なことが多いという調査結果もあり、採用コスト低減にもつながることから広がっている手法です。経営陣や既存社員が知人を勧誘するわけですが、選考において特別扱いされるわけではなく、多くの場合は公募や人材紹介による採用などと同様の選考が行われ、公平性を保った採用となっています。

リファラル採用を行うには、社員が「自社を就職先として紹介したい」と考えるための動機づけが必要となります。そのためには、勧誘する側の社員が、「自社を誇りに思う」「この会社で一緒に働きたいと思う」ことが必要です。採用手法・仕組みだけを導入しても効果が上がらないことに注意が必要です。なお、紹介を促進するという意味で、社員に奨励金を支払う企業もあります。


縁故採用の公平性について

2013年度の新卒採用において、岩波書店が「岩波書店の著者の紹介状あるいは岩波書店の社員の紹介があること」を採用の募集条件に挙げたことで話題となり、当時の厚生労働大臣が言及するほど大きな議論が起きました。この手法自体は、大きな候補者集団を形成して選考するコストを削減する意味や、紹介者を探し出す力を試すといった意味のある選考でもありましたが、縁故採用ということだけが独り歩きし、不公平と指摘されました。

この採用自体は法律上制限されるものではありませんし、雇用主の自由であるのにもかかわらずこのような採用が大きな問題になるのはなぜでしょうか。

これには縁故採用の今までの印象の問題があります。縁故採用では、選考時に面接などが省略されるなどの特別扱いがされることが多々あり、それがほかの志望者や既存社員の間に不公平感を生みがちです。そうした特別扱いで入社した人には、周囲からの視線・プレッシャーもあります。そのようなことから、縁故採用であっても公平に採用試験をすること、入社後の定着・活躍支援が求められます。


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この記事を書いた人

金澤元紀

ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会上席研究員

2003年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。インターネットベンチャー企業での新卒内定者に関するコンサルティング営業、メンタルヘルスサービス提供企業での適性検査の開発、情報サービス企業での人事に従事。採用やHRテクノロジーを中心に人事領域全般について調査・研究を行う。

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