OJT

OJTとは「On-the-Job Training」の略称のことで、実際の職場で業務を通して仕事を学ぶことを指します。現在、OJTは日本でとてもメジャーな新人教育方法の一つで、実践的な指導を行うため、効率的に新人を一人前に育てることが可能です。OJTはとてもシンプルで、PDCAサイクルに基づいた4つの手順と、「目的、計画、継続」の3つの原則に従うことで新人教育において高い効果が期待できます。


OJTで育成効果を上げるには?現場指導者に任せきりにしない計画的なOJT管理

OJTは第1次世界大戦期のアメリカが起源 

OJTの起源は第1次世界大戦のアメリカの造船所でした。人手不足の中、多くの新人に効率よく造船の技術を教えるためにチャールズ・R・アレンが教育学者ヘルバルトの5段階教授法を基に「4段階職業指導法」を開発したのが始まりでした。

OJTとは? 4つの手順と3つの原則 

OJTの4つの手順

OJTの手法は、PDCAサイクルに基づいています。Show、Tell、Do、Checkを1回のサイクルとして考え、サイクルを回し続けることによって、改善点を見つけ、それを改善させていくことで新人のスキルアップを図ります。

  • Show(やってみせる)…指導担当者が実際に仕事をやってみせ、仕事の全体像を把握させる
  • Tell(説明・解説する)…意味や背景などを含めて、具体的に仕事内容を説明する
  • Do(やらせてみる)…部下に実際に仕事をやってもらう
  • Check(評価・追加指導を行う)…部下の仕事に対して評価をする

OJTの3つの原則また、OJTで4つの手順を踏む際は、次の3つの原則を守ることも大切です。3つの原則を意識することで、OJTでの育成効果は高くなります。

  1. 意図的…どのような目的を持ってトレーニングを行うかを認識する
  2. 計画的…綿密な計画に基づいてトレーニングを行うこと
  3. 継続的…反復的に、また段階的にトレーニングが継続されること


OJTを導入するメリット

1.指導者の成長

OJTを受ける新入社員だけでなく、指導する先輩社員も成長できます。教えることで、普段何げなく行っている業務を再確認でき、業務に対する理解を深められます。

指導者が成長すれば、それだけ教育の質が上がり、次の指導者の育成も容易になります。また結果として、指導者たちの普段の業務効率の向上も期待でき、職場全体の生産性が高まるでしょう。

2.円滑なコミュニケーション

仕事をしながら交流を深められるため、互いの意見交換がしやすくなり、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。単に新人が職場に打ち解けやすくなったり、成長スピードが向上したりするだけでなく、情報共有が頻繁に行えるため、認識の違いによるミスがなくなり、職場全体で円滑に業務が進行できるメリットがあります。

3.効率的な実務研修が可能

業務を行う中で指導をしていくため、現場での対応力を早く身につけさせることができます。また、新人教育のためだけに時間や場所を用意する必要がなく、教育コストを削減できます。

OJTの実践課題

OJTにはさまざまなメリットがあると同時に、問題点もあります。最大の問題は、指導担当者の負担が増える点です。指導担当者は通常の業務を行う傍ら、新人の面倒も見なければならず、業務負担が大きくなりがちです。それにより、自身の業務がおろそかになるばかりか、新人のフォローやフィードバックが十分に行えなくなる可能性があります。

また、OJTは指導担当者の指導能力に個人差が出るため、場合によっては新人が育たない可能性もあります。そのほか、OJTを長期的に考えていなかったために育成がストップしてしまったり、人手不足などで、そもそも指導する人材や指導に適した人材を確保できなかったりする問題が発生しています。

OJTをより効率よく行い、戦力になる部下を育てるには

OJTで起こりがちな課題は、OJTを指導担当者や配属先に任せっきりにするのではなく、人事担当者が全体管理することで解決できるようになります。人事担当者がOJTを管理する際に気をつけたいポイントは次の3つです。

1.OJTの目標は職場全体で共有する

OJTを行う目的や目標を決めたら、指導担当者だけでなく職場全体に周知させることが大切です。それにより、社員全員に新人の良き手本であろうと意識させることができます。

また、職場全体がOJTの目標を知っていることで、指導担当者以外の社員が新人への手助けや指導をしやすくなります。

2.指導担当者の日常業務の負担を減らす

OJTを行う際は、指導担当者の日常業務を減らすなどして、新人の指導に集中できる環境を整えてあげることが大切です。そうすることで、新人のフォローやフィードバックが十分にできるため、新人の成長スピードの向上が期待できます。

3.定例の報告会を開催する

指導担当者に「どのような指導を、いつ、どのように教えたか。また結果はどうだったか」などを報告書に記入してもらいましょう。そして一定期間が経過したところで、指導担当者たちを集めての報告会を開きましょう。報告会ではお互いの報告書を基に、フィードバックを行い、問題があれば全員で解決方法を模索します。OJTは配属先に丸投げしがちですが、定例の報告会を開き、社内で進捗状況を共有することで、指導担当者の能力差による新人の成長スピードのバラつきをある程度防ぐことができます。

OJTはシンプルですが、正しく活用できていない企業が多いのも事実です。OJTを管理するのに気をつけるべきポイント3つと、OJTの4つの手順、3つの原則に経営陣や人事担当者がしっかりと従うことでOJTでの新人育成がうまくいく確率が高まります。OJTを正しく活用すれば、人材が成長するだけでなく、会社内での仲間意識や協調性を育てることができ、その後の仕事がより円滑に進むようになるでしょう。

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この記事を書いた人

hutas編集部

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