社会保険労務士

社会保険労務士(社労士)とは、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」(社会保険労務士法第1条)を目的とする国家資格者です。

社労士登録を受けている者が、特別研修を修了した上で紛争解決手続代理業務試験に合格すると、特定社会保険労務士として、労使間の紛争に関して裁判外紛争解決手続制度にのっとった代理業務を行えるようになります。


社労士の業務とは?企業はどのように活用できるか?


社労士制度創設の背景と独占業務

戦後日本において、労働保険・社会保険の各種制度が発展し複雑化する中で、特に中小企業においては、法令に基づいた手続きに関する業務を適切に行うことが困難なケースが多くなりました。そこで1968年に社会保険労務士法が制定され、社労士が労働保険・社会保険関係の書類等の作成代行などを行っています。2018年で社労士制度は50周年を迎えました。

社労士は労働保険・社会保険関係書類の作成と提出の代行手続きを、他人の求めに応じ報酬を得て行うことができ、これは独占業務です。

社労士には、事務所を開きさまざまな企業等からの依頼を受けて業務を行う開業社労士と、企業や団体に属し、その組織内に限定された範囲で業務を行う勤務社労士に大別されます。一般企業内での勤務登録が正式に認められている士業資格は社労士のみで、人事労務部門で社労士資格を活用している人も多くいます。


社労士の業務は多岐にわたります。

  • 労働保険・社会保険の手続き業務
  • 労務管理の相談指導業務
  • 就業規則の作成業務
  • 年金相談業務
  • 紛争解決手続代理業務
  • 補佐人業務、など

労働保険・社会保険関係の手続きは複雑な上に法改正も多いため、企業が社労士に依頼するケースも多くあります。最近では、政府の電子申請の推進やHRテクノロジーの発展により、手続き業務の比重は下がりつつあり、人事労務コンサルティングや、労務監査・就業規則作成を通じた労使トラブルの予防・解決などが中心的業務となってきています。


今後、社労士を特に活用できる場面は?

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署長に届出する必要があります(労働基準法第89条)。就業規則とは、企業が定める職場のルールブックです。たとえ10人未満の企業であっても、就業規則がないと懲戒処分を行うことができないなど各種の不都合が生じます。

「働き方改革関連法」が成立しましたが、労働基準法制定以来70年ぶりの大改革ともいわれる改正や、パートタイム労働法の改正など、就業規則の作成・改定が必要な場面が今後は増えることになります。特に労働時間規制や同一労働同一賃金への対応は企業運営の根幹に関わる部分でもあり、慎重な検討が必要となるため、就業規則の作成・提出を独占業務とする社労士の活用も検討課題となるでしょう。

就業規則の整備は、助成金申請の要件となることも多く、また、雇用関係の助成金申請代行は社労士の独占業務です。その点からも就業規則を中心としたコンサルティングを受けることはメリットが大きいといえるでしょう。

【参考】全国社会保険労務士会連合会 「社労士とは」


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この記事を書いた人

小川輝行

特定社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

法政大学法学部法律学科卒業。現在は社会保険労務士法人シグナルのアドバイザーとして従事。 社会保険労務士として、主に就業規則作成、労使トラブル予防・解決の相談に対応。社会保険労務士試験受験用の問題集や実務書の作成スタッフも担当。

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