SALARY

人事担当になったら理解しておきたいキーワードを集めた用語集です。
このカテゴリでは「給与」「社会保険」などに関する用語をまとめています。
年俸制
年俸制とは、従業員に支払う基本的な賃金を1年分まとめて提示する賃金制度のことです。賃金の決定には従業員個人の1年間の業績が重要視されますが、企業や部門などの集団業績も加味されることがあります。なお、賃金の支払いは、毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければならないことが労働基準法で定められています。そのため、賃金を決定するのは年に1回ですが、支払いは年俸を12回(またはそれ以上)に分割して毎月支払うのが通常です。年俸制においても、実際の労働時間が法定労働時間を超える場合は、時間外手当を支払わなければなりません(ただし、管理監督者など労働基準法第41条に規定された者は除く)。なお、割増賃金を必要としない従業員であっても、労働時間は把握しておかなければなりません。また、裁量労働制などのみなし労働時間制の場合には、実際の労働時間に関係なく、みなし時間に応じた年俸を設定する必要があります。なお、年俸制は成果に応じて賃金が決まるため、業績によっては賃下げとなる可能性もあります。
勤怠管理
勤怠管理とは、社員の出勤・退勤(出退勤という)の状況や休日・休暇の取得状況を把握することで、給与計算や適切な労務管理につなげることをいいます。もともとは、欠勤や遅刻・早退などを正当な理由なく行う者がいないかなど、社員が誠実に労務を提供しているかを監督する意味合いが強かったのですが、近年は社員の労働時間を適切に把握することにより、過重労働などによる健康被害を防止し、社員の働きがいやモチベーションを維持することに重点が置かれるようになってきています。
固定残業代
固定残業代(みなし残業代、定額残業代)とは、使用者が労働者に対して、あらかじめ一定時間残業したものとみなし、そのみなし残業時間分の法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、定額の手当または基本給の一部として固定的に支払う賃金体系のことです。
勤務間インターバル
勤務間インターバルとは、勤務終了後、一定時間以上の休息時間を設けることで、労働者の生活時間や睡眠時間を確保する制度です。前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に一定の休息時間を確保することで、ワーク・ライフ・バランスを保つことを目的としています。
退職金制度
退職金制度は、正式には退職給付制度と呼ばれ、任意退職、定年、解雇、死亡等の事由で雇用関係が終了したときに、事業主またはその委託機関から労働者に一定の金額を支給する制度です。支払い形態によって退職一時金制度と退職年金制度に分けられます。終身雇用制のもと、退職金制度は広く導入されています。法律上、会社に退職金制度導入の義務はありませんが、退職金制度を設置し、就業規則に退職金規定を設けると、退職金は賃金の一部と見なされ退職金を支給する義務が発生します。
労働災害
労働災害(労災)とは、労働者が業務上で被った負傷、疾病、障害または死亡のことをいいます。労働者が安全かつ衛生的な環境で働けるよう、労働基準法(労基法)から独立した労働安全衛生法(安衛法)が定められ、各種の安全衛生に関する規制が設けられています。また、労基法で使用者の無過失責任(故意・過失がなくても責任を負うこと)として補償義務が定められていますが、場合によっては資力の点で問題が生じる可能性があります。そこで、労働者災害補償保険法(労災保険法)によって、労災保険制度が整備され、通勤災害まで補償範囲が拡大されています。そのため「労災」が広義に使われる場合は、通勤災害も含まれることがあります。
最低賃金
最低賃金とは、労働者に支払う賃金額(時給)の最低額を国が強制力(罰則)をもって定めたもので、使用者は最低賃金額を下回る金額で労働契約を締結することはできません。最低賃金制度には、労働市場におけるセーフティーネットの役割があります。最低賃金には都道府県単位で設定される「地域別最低賃金」と、鉄鋼業、生産用機械器具製造業といった特定の産業について設定される「特定(産業別)最低賃金」があります。特定(産業別)最低賃金も都道府県別に設定されているので、地域別と特定の両方が適用になる労働者には、より高額なほうの最低賃金が適用されます。最低賃金額は毎年8~9月ごろに目安額が中央最低賃金審議会から示され、それを受けて地方最低賃金審議会が地域別の最低賃金額を決定し、10月から新しい最低賃金が適用となります。中央と地方のそれぞれの最低賃金審議会は、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成されています。
ストレスチェック制度
ストレスチェック制度とは、2014年6月の労働安全衛生法の改正により、2015年12月から従業員50人以上の事業場に対して実施が義務づけられた制度です(従業員50人未満の事業場は当分の間努力義務)。義務化されたストレスチェックは、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査を指しており、実施の目的は、労働者自身のセルフケアの促進とストレスの原因となる職場環境の改善によって、メンタルヘルス不調の一次予防を図ることです。ストレスチェック制度によって企業側に生じる義務は、「ストレスチェックの実施」と「ストレスチェックの結果に基づく医師の面接指導」です。また、努力義務として「ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析」を行うことを推奨しています。
標準報酬月額
標準報酬月額とは健康保険・厚生年金保険料の算出に用いられる金額のことです。4、5、6月に支給された給与(通勤交通費、残業代などを含む総支給額)を基に計算し、毎月の保険料を算出します。厚生年金保険料の標準報酬月額は、現在は31等級に分かれています。残業代の増減などで月によって報酬が変動することがあっても、標準報酬月額の仕組みを用いることで社会保険料は一定の金額を控除すればよくなり、事務手続きの簡略化が可能になります。
配偶者控除
課税対象となる所得を課税所得と言いますが、給与所得者がこの課税所得を計算する際に、収入から控除することができる所得控除の一つが配偶者控除です。配偶者控除の金額は、満額で38万円(配偶者が70歳未満の場合。以下同様)です。配偶者控除には年収が103万円以下の配偶者を対象とした「配偶者控除」と、年収103万円超~201万5,999円以下の配偶者を対象とする「配偶者特別控除」があります。従来は年収103万円を超えると満額の配偶者控除を受けられなくなるため、「103万円の壁」といわれていました。2017年に配偶者控除に関する法改正があり、2018年1月以降は、年収150万円まで満額38万円の控除が受けられるようになりました。年収150万円を超えると控除額が段階的に減額され、年収が201万5,999円を超えた時点で控除額は0円となります。注意したいのは、仮に世帯の中で夫が主たる収入を得る者である場合に、配偶者控除は配偶者(妻)の収入から控除されるのではなく、配偶者を扶養する納税者(夫)の収入から控除されるものであるという点です。そのため配偶者控除が受けられる要件として、配偶者の年収だけでなく納税者(夫)の年収もチェックが必要です。
確定拠出年金
確定拠出年金とは、加入者が毎月一定の金額を拠出し、運用されて生まれた利益によって将来受け取れる年金額が決まるという年金制度です。拠出(きょしゅつ)とは、この年金制度の運用のために、加入者が掛け金を出し合うことを意味しています。従来の年金制度である「確定給付年金」は将来受け取る年金額が決まっていますが、「確定拠出年金」では運用次第で受け取れる年金額が大きく上下する可能性があります。また、確定拠出年金は公的年金に上乗せする私的年金に区分されます。
社会保険
社会保険とは社会保障制度の一つで、国民の生活を保障するために設けられた最も重要な社会基盤です。社会保険は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険の総称ですが、一般的には、会社勤めの人が加入する健康保険や厚生年金を指すことが多く、これらは法律によって、事業者に加入が義務づけられています。社会保険にはそれぞれ加入条件があり、一定の条件を満たした事業所と従業員は加入の義務があります。加入には強制と任意の場合があります。
福利厚生
福利厚生とは、労働力の確保、社員のモチベーションアップや定着促進等を目的として企業が社員に給付する利益や便益、施設のことです。福利厚生は「法定の福利厚生(法定福利費)」と「法定外の福利厚生(法定外福利費)」に大別されます。法定の福利厚生とは、法律上使用者に拠出が義務づけられているもので、健康保険などの労働・社会保険料の使用者負担分が代表例です。法定外の福利厚生とは、法定の福利厚生以外のもので、従業員持ち株制度など使用者が任意に実施・設置しているものです。
産業医
産業医とは、事業場における労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師のことをいいます。企業の全従業員数でなく、それぞれの事業場で50人以上の労働者がいる場合に、事業場ごとに産業医の選任が必要となります。人数や業務によっては複数人あるいは専属(職場に勤務する)の産業医が求められ、違反している場合には罰則があります。産業医の役割は、安全衛生委員会への参加や職場巡回、健康診断のチェック、休職・復職面談、健康相談などです。2015年12月から労働安全衛生法の改正に基づき義務化されたストレスチェックの実施においても、結果の閲覧や指導など大きな役割を果たしています。
インセンティブ
インセンティブとは、奨励金や報奨金の意味で使われることが多く、目標達成度合いに応じて基本給とは別に支払われる賃金、またその給与制度を指します。主に営業職などの成果が見えやすい職種に取り入れられることが多い制度です。例えば、「基本給+インセンティブ」などと表記されることがあります。(なお、「インセンティブ」の英語そのものの意味としては「刺激」や「誘因」です。販売店に対して特別に支給される報奨金や値引きなどもインセンティブと呼ばれます。ほかにも、消費者の購買意欲を増進するときにも使われます。)