安全衛生

人事なら「安全衛生管理の進め方」の前に、
安全衛生の重要性を理解しよう

安全衛生

目次

  1. 1. 安全衛生の概要

  2. 2. 関連する法令

  3. 3. 安全衛生管理体制

安全衛生の概要

安全衛生管理が企業の責務であることを経営陣が認識すること

職場における安全衛生管理は、従業員を使用する企業が大前提として負う重要な責務です。法的にも、労働契約法5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定め、使用者に安全配慮義務を課しています。 

また、従業員が安全で健康に働ける環境を整備して従業員に安心感を与えることは、定着率の向上、モチベーションの向上につながります。ひいてはパフォーマンスの維持・向上につながるため、経営資源としての「人」の管理等を担う人事にとって安全衛生管理は重大な役割の一つだといえます。

労働災害は、長期的には減少傾向にあるものの、労働災害保険の新規受給者ベースで見ると職場で被災する人は年間50万人以上に及び、労働災害により「休業4日以上の死傷者」は10万人以上、死亡者も1000人前後で推移しています。近年では、過労死やメンタルヘルス不全のケースも増える傾向にあり、オフィスワークが中心となるような業種でも例外なく安全衛生管理の必要性を認識し、注力しなければならない状況になっています。

このような状況の中で、労働災害のない安全な職場をつくり上げるという会社としての責務を果たしていくためには、安衛法で定める安全衛生管理体制を確立し、責任体制を明確化すること、安全衛生の最低基準を遵守して作業環境の快適化を進めることが必要です。

関連する法令

複雑で広範囲にわたる労働安全衛生関連法令

安全衛生に関する法令のベースとなるのは「労働安全衛生法」ということになりますが、その他に、労働安全衛生施行令、労働安全衛生規則などの27の省令、さらには労働災害防止団体法、労働基準法、じん肺法などの関係法令などにより労働安全衛生関連法令の体系が形づくられています。 

そして法令中には、例えば製造基準などを公式に周知するための告示・指針、ガイドラインが定められています。あらゆる会社にこれらすべての法令・ガイドラインが関係してくるわけではありませんが、該当する業種や業務が発生する事業場を管轄する人事担当者は、自社に関連する法令でどんなことが定められているかを把握しておく必要があるでしょう。

労働安全衛生法および関係法令は、災害防止のための最低基準の規定と遵守の義務づけ、安全衛生管理体制の確立、危険な機械や有害物の製造・流通段階における規制、多重下請や労働者派遣など特殊な労働関係における規制など、労働災害防止のためのさまざまなルール・指針を定めているほか、従業員の健康維持・管理体制の確保や、過重労働防止、メンタルヘルス対策などにも及んでいます。


安全衛生管理体制

労使が互いに協力して組織体制の確立・運営を行う

労働安全衛生法1条では、この法律の目的について「労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」とうたっています。 

労働安全衛生法では、事業場の種類や規模に応じた適切な安全衛生管理体制の整備を義務づけており、その具体的な組織のあり様を示しています。同時に、安全衛生組織を動かす安全衛生スタッフ(安全管理者、衛生管理者、産業医など)の人数・資格・職務や、安全衛生スタッフを指揮する総括安全衛生管理者の設置義務の有無について、業種・事業場の規模ごとに明確に定めています。

こうした安全衛生管理体制の中で、日常的に活動を行うのが、安全委員会、衛生委員会(または、両者を一つにした安全衛生委員会)です。これらの委員会は労使が互いに協力して安全衛生問題に対処する目的で、月1回、定期的に開催します。安全委員会・衛生委員会はそれぞれ、総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で、当該事業場において事業の実施を統括管理するものもしくはこれに準ずる者が議長を務めます。各委員会は、事業者が指名した者と労働組合(もしくは従業員代表)が推薦したメンバー同数で構成され、衛生委員会には産業医の出席が望ましいとされています。

委員会では、危険防止策、労働災害が起きた場合の原因・再発防止策、安全衛生規程の作成、業務に起因する危険性または有害性を調査し、また労働者の危険・健康障害を予防する措置について調査審議し、事業者に意見を述べることとされています。

委員会の設置、責任者の選任などの他に、安全衛生レベルの向上を図るため、安全管理者や衛生管理者などに講習や研修の機会を与え、従業員に対して安全衛生教育を行うこと、健康診断の実施、作業環境測定、事故報告・労働者死傷病報告など、さまざまな活動の義務を規定しています。

まとめ

安全衛生の活動は直接会社の収益に結びつくものではないため、特に昨今の厳しい経営環境のもとでは注意が行かなくなりがちです。一方、「働き方改革」が政府によって推進され、働き方や就業環境への関心は高まって来ています。会社が率先して安全衛生に取り組むことで、従業員に安心をもたらすとともに、労使の信頼関係を強固にすることにつながります。


公式アカウントをフォローして
記事をチェックしよう

この記事を書いた人

hutas編集部

「hutas」はパーソルキャリアが運営する、初心者・兼任人事をはじめとして、人事業務を理解したい人のために、わかりやすく、業務に使える情報をお届けするメディアです。

労使関係

次回更新をお待ち下さい。

従業員エンゲージメント

これ以前の投稿はありません。

関連記事

安全衛生・労使関係管理ページに戻る