就業規則の作成・変更の手続き

就業規則には書き方のルールはない?!
重要なのは「社員が理解しやすい」こと

就業規則を初めて一からつくることになった場合、どのように作成すればよいのかと頭を悩ますことでしょう。既存の就業規則の見直しの際にも、就業規則全体がどのように構成されていて、何をどこに書くべきなのかを理解しておく必要があります。 

ただ、「必要記載事項を漏れなく記載すること」以外に、就業規則の書き方や構成について「こうしなければならない」という決まり事は実はありません。最も気をつけるべきことは、社員が理解しやすい構成にすること、読み手によって解釈が分かれない内容にすることです。 

就業規則の作成・変更の手続き

目次

  1. 1. モデル就業規則の活用と注意点

  2. 2. 就業規則の本則、別規程とは?

  3. 3. 就業規則を変更する際の手続き

  4. 4. まとめ

モデル就業規則の活用と注意点

実際の作成に当たっては、厚生労働省が公開している「モデル就業規則」が参考になります。

モデル就業規則は、労働基準法などの規定を踏まえて、就業規則の規程の例を、解説とともに示したものです。ただ、これはあくまでモデル例であり、就業規則の内容は事業場の実態に合ったものでなければなりません。

就業規則を一度作成して届出をしてしまうと、後に変更しようとしたときに(特に不利益変更となるケースでは)、想像以上の困難が伴います。モデル就業規則は十分に参考になりますが、安易にコピーして完了したりせず、各事業場の労働時間、賃金などの内容は十分に検討すべきです。また、誤字一つで意図したものと意味が変わってしまう可能性もありますので、所轄労働基準監督署への届け出前に、議事・脱字がないか、読み手によって異なる解釈がされないかどうかを、複数人の目で十分に確認しましょう。


パートタイム労働者を雇用している場合は別規定も検討しましょう

なお、モデル就業規則は、主に通常の労働者への適用を想定して作成されたものです。パートタイム労働者や臨時の労働者等を雇用している場合、就業規則の作成に当たっては、モデル就業規則の各条項についてパートタイム労働者等への適用が可能かどうかを検討する必要があります。場合によっては、別個のパートタイム労働者就業規則を作成しましょう。その際は、「パートタイム労働者就業規則の規定例」が参考になります。

【参考】パートタイム労働者就業規則の規定例(「パートタイム労働者の雇用管理の改善のために」ページ内)


就業規則の本則、別規程とは?

会社の就業規則に「賃金規程」「退職金規程」「パートタイム労働者就業規則」などのさまざまな規程があるのを見たことがある人がいるかもしれません。

就業規則とは一つの規程を指すわけではなく、会社のルールをまとめたものの総体を指します。「本則」が基本であり、すべてのルールを「本則」に記しても問題ありません。ただ、本則とは分けたほうが分かりやすくなる場合や、本則を適用しない従業員用の規則を、「別規程」として作成します。これが、「賃金規程」「退職金規程」「パートタイム労働者就業規則」などの正体です。

以前は、「別規程」をつくっていい分野は限定されていました。しかし、2000年代以降、就業規則でルール化する内容が複雑化してきたことから、その制限をなくし、どんな内容でも別規程化することが可能になりました。現在では、以下のようにさまざまな別規程が企業ごとの判断で設けられています。

■就業規則とは別で作られる別規定の事例

  • パートタイム労働者就業規則
  • 賃金規程
  • 年俸制規程
  • 退職金規程
  • 育児休業及び育児短時間勤務等に関する規程
  • 介護休業及び介護短時間勤務等に関する規程
  • 慶弔見舞金規程
  • 秘密保持規程
  • 出張旅費規程
  • 社有車管理規程
  • マイカー通勤管理規程
  • 社内安全衛生規程


就業規則を変更する際の手続き

労働基準法は就業規則の作成と所轄労働基準監督署長への届け出を義務づけていますが、すべての事業場が対象というわけではありません。義務があるのは、常時10人以上の労働者を使用する使用者です。

就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出る必要があります。例えば1つの企業で2カ所以上の営業所・店舗等を有している場合、企業全体の労働者の数を合計するのではなく、それぞれの支店・営業所を1つの事業場として捉え、常時使用する労働者が10人以上の事業場についてのみ就業規則の作成・届け出の義務が生じます。

ただし、複数の営業所、店舗等の事業場を有する企業については、それら営業所、店舗等の就業規則が変更前、変更後ともに本社の就業規則と同一の内容のものである場合に限り、本社所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して一括して届け出ることが可能です。(下図参照)

就業規則を作成または変更する場合の所轄労働基準監督署長への届出については、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を記し、その者の署名または記名押印のある書面(意見書)を添付しなければなりません(労働基準法第90条)。

この場合の労働者の過半数を代表する者とは、

  • 労働基準法第41条2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと
  • 就業規則の作成および変更の際に、使用者から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であること

の両方に当てはまる人でなければならないことが、労働基準法施行規則第6条2項に定められています。

また、パートタイム労働者に関する事項について別規程を作成・変更する場合には、その事業場において雇用するパートタイム労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聞くことが努力義務として短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)に定められています。

なお、就業規則の届け出については電子申請でも行うことが可能です。詳細は「電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)」の「就業規則(変更)届 (各事業場単位による届出)」をご確認ください。


まとめ

ここでは主に就業規則を作成・変更する際に知っておきたい、就業規則の構成や、一般的な書き方のルール・作法についてご紹介しました。

就業規則そのものの作成・変更は、モデル就業規則などの資料を参考に

  • 事業場の状況によって就業規則の要不要、届け出先が変わること
  • 労働者の代表の選出、その意見添付が必要なこと

が、今回のポイントです。

なお、文中でもご紹介しましたが、厚生労働省による「モデル就業規則」のほか、2009年の中小企業労働契約改善事業でつくられた「中小企業のための就業規則講座 ~不況に負けない『いきいき職場』をつくるために~ 就業規則作成・ 見直しのポイント」の冊子が参考になります。

モデル就業規則

中小企業のための就業規則講座 ~不況に負けない『いきいき職場』をつくるために~ 就業規則作成・ 見直しのポイント


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この記事を書いた人

hutas編集部

「hutas」はパーソルキャリアが運営する、初心者・兼任人事をはじめとして、人事業務を理解したい人のために、わかりやすく、業務に使える情報をお届けするメディアです。

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