社員が入社する際の手続き・必要書類

社員の入社が決まった時、
人事担当が行う手続き・必要書類とは?

新しく社員の採用が決定し、入社することが決まってからも、人事はさまざまな手続きや対応を行うことになります。まずは、大きく採用決定から各種手続きを開始するまでのステップを把握しましょう。ここでは、採用決定後の雇用契約の締結と、入社後の必要書類の受け取りをご紹介します。

社員が入社する際の手続き・必要書類

目次

  1. 1. 社員が入社する際の手続きの流れ

  2. 2. 雇用契約書・労働条件通知書

  3. 3. 入社時に提出を求める書類

  4. 4. すべての会社で必要な書類

  5. 5. 会社の判断により提出を求めたい書類

  6. 6. 社会保険・労働保険に関連する手続きと必要書類

  7. 7. 所得税・住民税に関連する手続きと必要書類

  8. 8. まとめ

社員が入社する際の手続きの流れ

まずは、新しく社員が入社する際の人事関連の手続きの流れを見てみましょう。


雇用契約書・労働条件通知書

会社のオファーに対して、個人が入社することに合意したら、法的には雇用契約が成立したことになります。つまり、書面による契約締結が必ず要るかというと「必要ない」ということになります。

ただし、会社には採用した人に対して「労働条件」を書面で通知する義務があります。この通知は内定の連絡時か、遅くとも契約時までに通知しなければなりません。(これは、労働基準法とその施行規則により決められています。) 

そのため、多くの会社は「雇用契約書」を用意し、その中に労働条件を記載して、「労働条件の通知」の義務を果たしつつ、入社者の合意も書面として残す、という方法をとっていますが、法律上必須なのはあくまでも「会社から入社者への労働条件の通知のみ」ですので、「労働条件通知書」を発行するのみ、とする会社もあります。


入社時に提出を求める書類

社員の入社の際には、人事は労働契約(雇用契約)以外にも、社会保険の加入などさまざまな手続きを行うことになります。それら手続きのために必要な書類を、入社者に提出してもらわなければなりません。

入社時に提出を求める書類としては、以下が一般的です。

  • 給与振込先の届出書
  • マイナンバー
  • 健康診断書
  • 住民票記載事項証明書
  • 身元保証書
  • 誓約書
  • 通勤手当などの各種手当支給届出書
  • 資格免許証、合格証明書類など
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者資格取得等届
  • 源泉徴収票
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

法律により会社が課せられている義務を果たすために、すべての会社で必要な書類と、会社ごとの任意の判断により提出を求める書類があります。任意の書類に関しては、会社が独自の判断で入社時に提出を求めるもので、就業規則に定めている場合もあります。


すべての会社で必要な書類

給与振込先の届出書

給与の振込先となる口座情報を確認するのに必要な書類です。労働基準法24条では、使用者は原則として給与を通貨(現金)で直接支払わなければないと定めており、振り込みができるのは法令や労働協約に定めがある場合という例外措置です。振込を拒否されるケースはまずありませんが、あくまでも社員の同意を得ていることが前提となることは覚えておきましょう。

マイナンバー

2013年にマイナンバー法が成立し、2016年1月から社会保障・税番号制度が開始されたため、社会保障、税、災害対策などの各種手続きにおける本人確認にマイナンバーの記載が必須となりました。マイナンバーは、原則としてそのマイナンバーが必要になった時点で提供を受ける必要があります。ただし、将来的に必要となることが確実なのであれば、事前に提供を受けてもよいこととなっています。そのため、入社のタイミングでマイナンバーの提供を求める会社が多いです。会社がマイナンバーを取得する際は、本人に利用目的を明示するとともに、他人へのなりすましを防止するために厳格な本人確認を行う必要があります。

健康診断書

会社は労働安全衛生法の定めにより、入社する社員に入社前に健康診断を受けてもらい、その結果を提出してもらう必要があります。健康診断書は、入社前3カ月以内に受診したもの、中途採用で入社の場合は前職で受診した時のものでも可となります。

必要な検査項目や、検査実施後の企業の対応は定められています。下記に参考となるリーフレットをご紹介します。

【参考】労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう(厚生労働省)


会社の判断により提出を求めたい書類

住民票記載事項証明書

入社する社員の住所を確認するために求めたい書類です。通勤手当や住民税の支払先の確認のほか、労働基準法により作成を義務づけられている労働者名簿に氏名、生年月日、性別、住所などを記載する必要があるからです。法的にはこの書類が必須というわけではありませんが、より正確な情報を把握するために提出を求めましょう。

身元保証書

入社する社員が職場で協調性を持ち、同僚とトラブルを起こすことなく働くことができる人であることを、第三者から保証してもらう目的の書類です。また、社員が入社後に会社に大きな損害を与えてしまった場合、社員本人だけでは損害を賠償しきれないケースで、代わりに身元保証人が賠償することを約束してもらう目的があります。会社によっては提出を求めないこともあります。

誓約書

誓約書の主な目的は、入社する社員が会社の就業規則に同意したことを確認するためのものです。誓約書の内容は会社によって異なりますが、就業規則への同意のほかに、会社の営業秘密等を第三者に漏えいしないこと、業務上の理由等により入社者の個人情報を第三者に提供する場合があることについて、あらかじめ同意を得る内容であることが多いです。

通勤手当などの各種手当支給届出書

福利厚生の一環として通勤手当、住宅手当、家族手当等を支給する会社では、その支給のために必要な情報を届け出てもらう必要があります。必要な情報を揃えて記載させられる書式の届出書を会社で用意して、提出してもらうようにしましょう。

資格免許証、合格証明書類など

学歴や保有資格の確認、業務に従事するための知識や能力があるかの証明のために提出を求める場合があります。新卒入社の場合は卒業証明書や成績証明書、業務で車を運転することがあれば運転免許証など、必要に応じて提出を求めます。


社会保険・労働保険に関連する手続きと必要書類

健康保険、厚生年金、雇用保険への加入は、法律で定められた条件を満たしていれば、社員の国籍、性別、雇用形態にかかわらず義務となります。

雇用保険被保険者証

雇用保険加入要件を満たす人を雇うことになった場合、会社は雇用したことと雇用した日を職業安定所に届け出なければなりません。雇用した社員に前職がある場合は、前職の「雇用保険被保険者証」を提出してもらいます。ただし、新卒入社者で、それまで雇用保険に加入したことがない人については、雇用保険被保険者証は不要です。雇用保険の加入手続きは、雇用した月の翌月10日までに職業安定所で行う必要があります。

年金手帳

20歳になると交付されるものです。厚生年金保険、健康保険に加入するため必要になります。配偶者を扶養する場合は、配偶者の分の年金手帳も必要です。社会保険の加入手続きは、雇用した日から5日以内に年金事務所で行います。20歳未満の人を雇う場合、その人が初めての就職であればまだ年金手帳を持っていないため、基礎年金番号なしで加入手続きを進めます(手続き完了後、年金手帳が交付されます)。※ただし2018年3月5日以降、これまで年金手帳に記載の基礎年金番号で行っていた届出申請については、マイナンバーで行えるようになりました。

手続きの際には「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」のほか、扶養家族がいる場合は「健康保険被扶養者(異動)届」を、被扶養配偶者がいる場合は「国民年金第3号被保険者届」を合わせて提出します。


健康保険被扶養者(異動)届

配偶者や子どもなど、入社する社員の扶養に入る家族や親族がいる場合、扶養家族として健康保険に加入できます。その加入に当たって必要になります。

国民年金第3号被保険者資格取得等届

入社する社員が配偶者を扶養する場合に提出してもらいます。届出書類には配偶者の捺印と記載、状況によっては添付書類が必要になります。


所得税・住民税に関連する手続きと必要書類

源泉徴収票

入社する社員に前職がある場合は、前職の「給与所得等の源泉徴収票」がその年の年末調整の申告時に必要になります。源泉徴収税を税務署に納付する期日は、最初の給与が発生する月の翌月10日です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

これも所得税に関する手続きに必要な書類です。毎月の給与から源泉徴収される所得税額は、被保険者(社員本人)のみの場合、配偶者や扶養家族が加わる場合など条件によって変わります。状況を正確に把握し、所得税を正しく算出するため扶養家族の有無に関係なく必ず提出してもらいます。


まとめ

こうして列挙してみると、入社時に必要または提出を求めたい書類は多岐にわたります。

ここでは、必要な書類を確認してきましたが、その次のステップは、それぞれの書類をもとに手続きを行うことになります。人事は、それぞれがどういう意味を持つ書類で、何のために提出を求めるのかを把握し、聞かれた際にすぐ答えられるようにしておくことが望ましいでしょう。


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この記事を書いた人

hutas編集部

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