労働保険(雇用保険・労働災害補償保険)加入の手続き

新たに労働保険の加入対象になった場合の
雇用保険と労災保険の加入手続きを解説 

労働保険とは、雇用保険と労働災害補償保険(労災保険)の2つのことをいいます。

雇用保険はすべての従業員が加入するものではなく、雇用保険の加入条件を満たす従業員をはじめて雇う場合に、加入することとなります。

一方、労働災害補償保険(労災保険)は、正社員、有期契約社員、パート、アルバイト、日雇いなどの雇用形態にかかわらず、一人でも従業員を雇う事業所が必ず加入しなければならない保険です。

なお、派遣労働者の場合は派遣元の事業所が加入します。

労働保険(雇用保険・労働災害補償保険)加入の手続き

目次

  1. 1. 雇用保険の加入条件

  2. 2. 労災保険の加入条件

  3. 3. 一元適用事業と二元適用事業

  4. 4. 加入手続きを行う場所・期限

  5. 5. 労働保険加入の必要書類とその準備

  6. 6. まとめ

雇用保険と労災保険は、加入条件が異なります。

雇用保険の加入条件

雇用保険の加入条件は、雇用形態やによって内容が異なります

1. 一般社員、パート、アルバイトの加入条件

フルタイムで働く一般社員は雇用保険に加入することになります。パート・アルバイトでも、週の所定労働時間が20時間以上で、かつ継続して31日以上雇用される見込み(※)のある人については加入義務があります。

※「31日以上雇用される見込み」の定義(昼間学校へ通う学生アルバイトは対象外)
• 特に雇用期間が定められていない
• 雇用期間が定められていて、その期間が31日以上
• 雇用契約に更新規定があり、31日未満で雇い止めとなる規定がない
• 雇用期間の定めが当初は31日未満の見込みだったが、途中から31日以上雇用されることが決まった
(※この場合は、31日以上の雇用が決まった時点で要件を満たすことになり、加入義務が生じます)

2. 季節的労働者の加入条件

季節に左右される仕事に従事する人で、1年のうち4カ月以上の雇用契約を結び、週の所定労働時間が30時間以上の人は、雇用保険の「短期雇用特例被保険者」となります。この短期雇用特例被保険者が失業した場合、基本手当(失業手当)の代わりに「特例一時金」の給付が受けられます。

3. 日雇労働者の加入条件

日雇労働者の場合、日雇労働者のための特別な雇用保険に加入します。1日単位の単発の仕事に従事する人、ないし雇用期間が30日以内の人は自動的に加入対象となり、手続きをすると「日雇労働被保険者」となります。

加入手続きは、従業員自身が公共職業安定所(ハローワーク)へ雇用保険日雇労働被保険者資格取得届にその他必要書類を添えて提出します。すると、雇用保険日雇労働被保険者手帳(日雇手帳)を交付されます。日雇で働いた従業員は、会社から賃金の支払いを受けるときに日雇手帳を提出し、雇用保険印紙の貼付を受けます。この印紙が張られていることが、保険料を納めた証明になります。


労災保険の加入条件

前述の通り、一人でも従業員を雇う事業所が必ず加入しなければならない保険のため、加入条件についての言及は不要ですが、下記の通り事業内容による手続きの違いは適用されます。

一元適用事業と二元適用事業

事業所の事業内容によって、一元適用事業と二元適用事業に分類され、それぞれ申告、納付の手続きが異なります。

一元適用事業

労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付を一元的に取り扱う事業をいいます。二元適用事業の対象にならない事業は、すべて一元適用事業となります。

二元適用事業

その事業実態から、労災保険と雇用保険の適用労働者の範囲・適用方法を区別する必要があるため、保険料の申告・納付を労災保険と雇用保険を別々に取り扱う事業のことです。

対象となる事業

•都道府県、市町村およびこれらに準ずるものの行う事業
•港湾労働法が適用される港湾における港湾運送の事業
•農林水産の事業
•建設の事業


加入手続きを行う場所・期限

一元適用事業の場合は、保険関係が成立した日(従業員を雇い入れた日)の翌日から起算して10日以内に保険関係成立届を労働基準監督署へ提出します。

その後、またはそれと同時に概算保険料申告書を提出し、保険料を前納します。この期限は、保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内です。概算保険料申告書は都道府県労働局や銀行などの金融機関への提出も可能ですが、保険関係成立届を提出と同時に労働基準監督署へ提出しておいて、保険料納付を50日以内に行うのが一般的です。

労働基準監督署での手続きの後、雇用保険の手続きとして、公共職業安定所へ、雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届、その他添付書類を提出します。各都道府県の労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)によって添付書類が異なる場合がありますので、事前に提出先へ確認しましょう。

提出先 提出書類 添付書類 提出期限
労働基準監督署 ・保険関係成立届
・概算保険料申告書※
・登記簿謄本
・登記事項証明書など 
10日以内※
(保険関係が成立した日の翌日から数えて)
※概算保険料申告書の提出期限は保険関係が成立した日の翌日から50日以内ですが、
保険関係成立届と同時に提出し、保険料納付を50日以内に行うのが一般的です
公共職業安定所 ・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届
(従業員1人につき1通)
・保険関係成立届(控)
・概算保険料申告書(控)
・登記事項証明書など
10日以内
(雇用保険適用事業所設置の日(はじめて従業員を雇い入れた日)の翌日から数えて)

二元適用事業の場合は、保険関係成立届と概算保険料申告書、労災保険用と雇用保険用に別個で用意し、労災保険の手続きは労働基準監督署で、雇用保険の手続きは公共職業安定所でそれぞれ行います。


労働保険加入の必要書類とその準備

書類名 入手先
保険関係成立届 ・労働基準監督署
労働保険概算保険料申告書 ・労働基準監督署
雇用保険適用事業所設置届 ・公共職業安定所(ハローワーク)
・ハローワークインターネットサービス
雇用保険被保険者資格取得届 ・公共職業安定所(ハローワーク)
・ハローワークインターネットサービス
必要な書類と入手先

保険関係成立届

従業員を雇い入れ、労働保険に加入しなければならない事業所になったことを申告する書類です。会社名、住所など会社の概要、雇用者数を記入します。書類は労働基準監督署で入手できます。

【参考】全国労働基準監督署の所在案内


労働保険概算保険料申告書

労働保険の保険料は通常、4月1日~翌年3月31日までを1つの年度として計算されます。

そのため、年度の途中で新たに労働保険に加入することになった場合は、保険関係が成立した日からその年度の末日までの保険料を概算して納付します。「労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書」を提出することになりますが、確定保険料の欄、および一般拠出金の欄の記入は不要です。

労働保険料の算定方法、申告書の記入方法については「労働保険(雇用保険・労災保険)の年度更新手続き」で詳しく解説しています。

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険の適用対象となる事業所となった旨を申告するための書類です。会社名、住所、被保険者を雇用した日、会社の概要、保険関係成立届に記載される労働保険番号を記入します。書類の入手は公共職業安定所(ハローワーク)に取りに行くか、「ハローワークインターネットサービス」でダウンロードすることも可能です。


雇用保険被保険者資格取得届

従業員を雇用保険に加入させる時に提出する書類です。従業員1人について1通必要となります。なお、過去に雇用保険に加入したことがある従業員については被保険者番号を記入します。そのため、従業員には入社時に「雇用保険被保険者証」を提出してもらっておきましょう。こちらも、書類の入手は公共職業安定所(ハローワーク)に取りに行くか、「ハローワークインターネットサービス」でダウンロードすることも可能です。


まとめ

労働保険は、従業員を雇うことになった事業所すべてに加入義務があります。労災保険、雇用保険は別個の保険ではありますが、加入手続きは一連のものとして行うのが通常です。まず、保険関係成立届を提出して労働保険番号を取得し、その後に雇用保険関連の手続きを行うとスムーズに手続きを行えます。

また、厚生労働省が発行しているパンフレットに手続きの詳細、各種書類の記入例が載っていますので、参考にしてください。
事業主のみなさまへ 労働保険の成立手続はおすみですか


チェックリスト

✔ 事業所が労働保険の加入対象であることを確認したか
✔ 雇用保険の加入対象となる従業員を確認したか 
✔ 過去に雇用保険に加入したことがある従業員に雇用保険被保険者証を提出させたか 
✔ 提出が必要な書類、添付書類を確認したか 
✔ 提出先、提出方法、期限は確認したか 


公式アカウントをフォローして
記事をチェックしよう

この記事を書いた人

hutas編集部

「hutas」はパーソルキャリアが運営する、初心者・兼任人事をはじめとして、人事業務を理解したい人のために、わかりやすく、業務に使える情報をお届けするメディアです。

次回更新をお待ち下さい。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)加入の手続き

これ以前の投稿はありません。

関連記事

給与・社保・福利厚生ページに戻る